パーキンソン病とは?

パーキンソン病は、徐々に進行する神経系の病気で、主な症状としては、手足の震え、筋肉のこわばり、動作のもたつき、バランスの悪さといった運動に関するものが挙げられます。しかし、便秘や排尿のトラブルといった自律神経系の症状や、不安感、憂うつ感といった精神的な症状もよく見られ、しかもこれらの非運動症状が運動症状よりも前に現れることも少なくありません。

パーキンソン病の検査

パーキンソン病の診断では、まず神経内科医による詳しい問診と、体の動きや神経の状態を調べる神経学的検査が行われます。必要に応じて、MRIやCTといった画像検査も実施されます。さらに、DaTスキャンやMIBG心筋シンチグラフィといった核医学検査が行われることもあります。これらの検査は、パーキンソン病によく似た症状を示す他の病気ではないことを確認したり、パーキンソン病がどの程度進行しているかを把握したりするために役立ちます。

パーキンソン病の治療

薬物療法

パーキンソン病ではドパミンが減少しているため、その減少を補う治療が行われます。この目的を達成するために、脳内の様々な部位に作用し、神経伝達物質の働きを調整する多様な種類の薬が用いられます。

手術

脳深部刺激療法(DBS)の手術では、まず、頭部に特殊なフレームを装着し、CT撮影を行います。全身麻酔下で、事前に撮影したMRI画像とCT画像を重ね合わせ、医療用ナビゲーションシステムを用いて、脳内に電極を挿入する正確な位置を決定します。
次に、頭蓋骨に小さな穴を開け、決定した部位に電極を慎重に挿入します。手術中には、電極からの電気的な活動を記録したり、患者様の意識がある状態で一時的に電気刺激を行い、症状の変化を確認したりすることがあります(この手術手技を定位脳手術と呼びます)。なお、手術のために髪の毛を剃る必要はありません。
最も効果が得られると考えられる部位に電極を留置した後、前胸部または腹部に小型の電池(ジェネレーター)を埋め込み、脳内の電極と接続します。これにより、電気刺激システムが完成します。
手術後、患者様の状態や症状の変化を見ながら、電気刺激の条件を細かく調整します。通常、術後10日程度で退院となります。この治療法の大きな利点は、症状の変化に応じて電気刺激の強さやパターンなどを調整できることです。

リハビリテーション

パーキンソン病の治療において、リハビリテーションは不可欠です。パーキンソン病の特性を考慮した専門的なリハビリテーションは、症状の進行を緩やかにし、日常生活をより快適に送るために非常に重要です。

リハビリテーション