頭部打撲後にこんな症状はありませんか?
- 頭痛が続く
- 嘔吐を繰り返す
- 言葉や会話に異常がある
- 手足の動きに異常がある
- ぐったり、ぼんやり、ふらふらする
- など
お子様が遊具から落ちて頭を打った、児童が運動中に頭をぶつけた、学生がスポーツで頭を強打した、交通事故や転落で頭部を負傷した、高齢者が転倒して頭を打ったなど、頭の怪我は要注意です。
脳や骨に異常が生じている可能性もありますので、そのまま放置せずまずは当院まで受診してください。
頭部打撲後の注意点
「頭蓋内出血」に注意
頭を打った際に最も注意すべきなのは、脳や頭蓋内での出血です。出血が急速に進むと、重い後遺症や命に関わる危険が生じます。
頭の中の出血は打撲直後から始まり、症状が早く出るほど出血が速い可能性があります。逆に、出血が緩やかな場合は症状が遅れて現れ、重症化のリスクも低くなります。
また、出血が自然に止まれば無症状で経過することもあります。
打った直後は元気でも、後から急変する「Talk and Deteriorate」という現象が知られており、特に24時間は注意深く様子を見守ることが大切です。
脳震盪(のうしんとう)
頭を打った直後に短時間の意識消失が見られた場合、脳震盪が疑われます。また、頭蓋内に明らかな異常がなくても、ふらつきやぼんやりした様子、言動のおかしさがしばらく続く場合も脳震盪の可能性があります。
脳震盪は、軽いものでは数分で回復しますが、重症の場合は症状が数週間続くこともあります。脳震盪の回復期間中に再び頭部に衝撃を受けると悪化するリスクがあるため、検査で異常がなくても一定期間は安静が必要です。医師の指示に従って経過をみることが重要です。
頚椎損傷
スポーツや交通事故、転落などで、頚椎や頚髄が損傷することがあり、これは命に関わる重大な問題です。
頭を強く打つと首にも大きな負荷がかかり、頚椎損傷を起こす可能性があり、重症では四肢まひや呼吸障害を引き起こすこともあります。
頭部打撲後は、頚椎損傷が否定されるまでは、首を固定して動かさないことが重要です。
頭部打撲後の検査
頭部CT
頭部打撲後の検査では、脳損傷の有無を確認するために頭部CT検査が一般的に行われます。CT検査は、脳内出血や頭蓋骨骨折などの明らかな損傷を迅速に診断できるため、特に意識障害、頭痛、嘔吐といった症状がある場合には、早期の実施が推奨されます。

MRI
頭部打撲後の検査にMRIが用いられることもあります。MRIは頭蓋内出血や骨折の診断に役立ち、放射線被ばくがないため、小児や妊婦の検査に適しています。ただし、急性期の頭部外傷では、出血や骨折を迅速に検出できるCT検査が優先されることが一般的です。
