こんな症状はありませんか?
- 顔がゆがむ
- 眉毛が上がらない
- 眉毛が下がりっぱなしになっている
- 水分を口にふくむと、口からこぼれる
- 口角が下がる
- 目が閉じられない
- など
ベル麻痺
ベル麻痺(特発性顔面神経麻痺)は、顔面神経麻痺の原因の約半数を占め、最も一般的なタイプです。原因はまだ明確ではありませんが、ヘルペスウイルスによる顔面神経の炎症が関与している可能性があると考えられています。

治療法
ベル麻痺の治療では、一般的にステロイド薬と抗ウイルス薬を併用し、できるだけ早く治療を開始することが大切です。また、麻痺によってまぶたが閉じにくくなるため、目の保護も重要になります。
ハント症候群
帯状疱疹ウイルスが再活性化し、神経に炎症を起こして麻痺が生じるのがハント症候群です。顔面神経麻痺の原因としてはベル麻痺に次いで多く、1~2割を占めます。
主な症状は、顔面神経麻痺、耳の痛み、耳の周りにできる水ぶくれです。顔面神経につながる聴神経に炎症が広がると、難聴やめまいを伴うことがあります。
ベル麻痺に比べて治りにくく、後遺症として顔面麻痺が残る可能性が3割程度あると考えられています。
治療法
ハント症候群の治療は、早期に抗ウイルス薬とステロイド薬を併用することが基本となります。症状が現れてから72時間以内に治療を開始すると、顔面神経麻痺の回復率が向上するとされています。また、症状によっては手術が検討されることもあります。
外傷性麻痺
ベル麻痺、ハント症候群に次いで多い顔面神経麻痺の原因は、事故などによる外傷で側頭骨を骨折した場合です。骨折した骨が顔面神経を圧迫することで麻痺が生じます。受傷後48~72時間以内に起こるものを即時性麻痺、それ以降に現れるものを遅発性麻痺と呼びます。
遅発性麻痺は、外傷の衝撃による神経の損傷部位の腫れが原因と考えられています。神経の損傷の程度によって後遺症が残るかどうかは異なり、一概には言えません。
治療法
外傷が原因で起こった顔面神経麻痺の治療は、麻痺の程度や原因によって異なりますが、大きく分けて保存的治療と外科的治療があります。保存的治療では、ステロイド薬、ビタミン剤、血流を改善する薬などが用いられます。
三叉神経痛
顔の左右それぞれに存在する三叉神経は、顔の半分の感覚を司る神経です。三叉神経痛は、この神経が何らかの原因で刺激され、その情報が脳で「痛み」として認識されることで起こります。主に、鼻の横、歯ぐき、目の周りなどに、突然激しい痛みが走ります。多くの場合、歯磨き、洗顔、冷たい風が顔に当たるなどのわずかな刺激(トリガー)が痛みを誘発します。
治療法
三叉神経痛の治療には、薬物療法、神経ブロック療法、ガンマナイフ治療、手術(微小血管減圧術)といった方法があります。通常は、まず薬物療法で痛みや症状をコントロールできる範囲で治療を進めることが一般的です。薬物療法で十分な効果が得られない場合には、他の治療法が検討されます。